小美玉市立竹原小学校
小学校の校舎の新築計画です。
既存の2つの校舎のうちのひとつを壊して建て替えました。
新校舎は、鉄筋コンクリート造3階建てで、普通教室を全室南側に配し、特別教室とトイレ等を北型に配置した中廊下型になっています。
外観は、「メンテナンスをできるだけ簡単に」という学校側のご要望を受け、極めてシンプルな形にデザインしましたが、縦のラインに用いた落ち着いたピンク色と、各階に設置した日よけ用の金属製のルーバーで、明るく軽やかな印象を演出しています。
内装は、ほぼすべてに木材を使用し、とても柔らかい雰囲気の教育空間に仕上がりました。
どこにいても木の感触、匂いに包まれる校舎となり、子どもたちにはきっと伸び伸びと日々の学校生活を楽しんでもらえているのではないかと思います。
また、学校側から防災拠点としての機能を果たす校舎にという要望がありましたので、それにみあった設備も設置しています。
「太陽光発電」は、災害時には昼間の電気をダイレクトにコンセントから使える仕組みを導入しました。
加えて、災害時には生活用水に活用できる「防災井戸」と非常用の「発電機」を備えています。
校舎が完成したのは、2015年の2月28日だったのですが、その年に卒業する生徒たちが、ほんの数日でしたが、この校舎で過ごしました。
というのも、前の校舎がかなり古く、廊下も外廊下で雨が吹き込むような状態だったため、学校や教育委員会の方々も卒業する生徒たちをなんとか新校舎で過ごさせてあげたい、と考えたようです。
そのため工事の工程的にはかなりきついものになりましたが、子どもたちから「がんばってください、楽しみにしています」という寄せ書きが届き、工事の担当者たちも皆で奮起してがんばってくれました。
建設の工程をずっと目にしていた6年生たちに、1週間に満たないわずかな期間でしたが、完成した新しい校舎の感触を体験し、小学校最後の思い出に加えてもらうことができて、ほっと胸をなでおろしています。
- 作品名
- 小美玉市立竹原小学校
- 分類
- 小学校
- 建設地
- 茨城県小美玉市
- 構造
- RC造 地上3階
- 竣工
- 2015年2月
- 業務内容
- 改築工事 実施設計・監理
- 設計担当
- 池田洋 伊井和久 島村一平