水戸市本町に本店を持つうなぎ店の、新たな支店です。
本店は老舗として知られますが、店主の要望もあり、老舗を意識させず、子ども連れでも入りやすい、オープンで親しみの持てる店づくりを心がけました。
敷地の道路に面した側には木塀を設えて落ち着いた雰囲気を演出しています。駐車場から店舗入り口までは、この木塀の内側を通っていきます。ここはいわば“街角の路地”のイメージです。
客席は、普段はオープンで使いますが、さまざまな人数の集まりにも対応できるよう、襖で仕切れるように設計しています。
新鮮なうなぎをその場で裂いて蒲焼にする、その旨さの秘訣を守るため、敷地内には専用の井戸を掘りました。
気軽にうなぎを食べるというコンセプトの中にも、味には手を抜かない、老舗のプライドを感じます。
また、トイレの手洗器には笠間焼の器を使っていますが、これも店主の見立てによるものです。
店内の細かなところに、店主のこだわりがさりげなく表現された店になりました。
老舗うなぎ店の新しい歴史の第一歩を刻むお手伝いは、設計する側にとってもたいへん楽しい体験となりました。
もちろん、オープン後に食べたうなぎの味は格別でした。
