貸し事務所スペースを含む、企業の本社ビルの新築工事です。

旧社屋にてオーナーと打ち合わせをしていたのが、ちょうど2011年3月11日の午後。
突如巨大地震が起こり、目の前で天井や壁がはがれ落ちていきました。

同じ光景を目にしたオーナーと私たち。当然、新築ビルに対しての想いも同じものになりました。「地震に負けない丈夫な建物にする」。

構造はRC造とし、建物として強固であることを何より優先させました。
将来的には全室テナントとなる可能性もあるため、間取りは正方形を四等分した「田の字プラン」とし、内装もシンプルであることを心がけました。

ただ、単に強固・シンプルなだけでは、なんだか味気ない建物になってしまう。
私たちは、オーナーの温かく柔和なお人柄に魅力を感じていましたので、外観でぜひそのあたりを表現できればと思いました。
手焼き風の外壁タイルを用いたことで、明るく柔らかな印象の建物となりました。
正方形のシンプルな建物に、規則正しく並んだ縦長の窓が、外観に軽快なリズムを与えています。