工芸デパート

分類 店舗
建設地 茨城県水戸市
構造 S造、平屋建
敷地面積 523.77 ㎡
延床面積 161.50㎡
竣工 2012年9月
業務内容 新築設計・監理
設計担当 佐藤昌樹
所英雄
伊井和久

江戸時代の武家屋敷跡に建つ店舗で、笠間焼や結城紬、茶道具に千代紙・和紙など、茨城県産の工芸品などを企画・販売してきた「工芸デパート」。

昭和24年の創業以来、水戸市民や観光客に親しまれてきましたが、2011年の東日本大震災で建物が大きなダメージを受け、店主は、一度は廃業することを決意したそうです。

じつは、大地震発生の直後、エイプラスデザインのスタッフ総出で近隣の建築物の被害の様子を見て回った際、この「工芸デパート」にもおじゃましたのですが、そのときすでに店では「閉店売り尽くしセール」が行われていました。

が、その後、震災復興制度などの助けもあり、店舗を新たに建築することとなりました。
そして、私たちが震災直後に店舗に顔を出したことを店主が覚えていてくださり、歴史ある「工芸デパート」の再興計画を、エイプラスデザインが手掛けることとなりました。

さっそく外観イメージの検討に入りました。
かつて武家屋敷が並ぶ地域だったという土地の背景や、「工芸デパート」という店の格式や歴史を考えあわせると、私の頭では「蔵」のイメージ以外考えられませんでした。

迷わずその思いを店主に伝えたところ、期せずして同じ考えだったとのことで、外観のイメージはすんなり決定しました。壁面下部には、土蔵などの壁塗りの様式の一つである「なまこ壁」(平らな瓦を壁に張りつけ、目地部分に漆喰を盛り上げた形に塗ったもの。漆喰の白い目地が縦横や斜め格子の模様となる)を採用しています。

苦労したのは、店舗前面の見せ方です。というのも、「工芸デパート」のある水戸南町の大通りにはアーケードがあるため、普通に建てると、建物がアーケードでだいぶ隠れてしまいます。視界の制約を受けるなかで、店の前を通る人たちに「蔵」のイメージが十分に伝わるよう、店舗前面の天井を一部下げ、アーケードの下に屋根と看板が入るよう調整しました。

新築された店舗は、外観からは2階建てに見えますが、実際はスペースの問題で階段が設置できず、やむなく平屋建てとなりました。
そのため、以前の建物と比べ、売り場面積は狭くなっています。が、建物後方の事務室の上にロフトを付け倉庫にすることで、収納の容量は大幅にアップさせています。

店舗の内部については、多彩な工芸品が引き立つよう、また、それらを自由にレイアウトすることができるよう、白壁とフローリング調の床で極力シンプルな仕上げとしました。

水戸そして茨城の、「高い技術」と「美しいこころ」を形にして提供する店、「工芸デパート」。
歴史ある店が、震災から復興し、再び歩みを進めていく過程に深く関わることができ、私たちも誇らしい気持ちでいます。

分類 店舗
建設地 茨城県水戸市
構造 S造、平屋建
敷地面積 523.77 ㎡
延床面積 161.50㎡
竣工 2012年9月
業務内容 新築設計・監理
設計担当 佐藤昌樹
所英雄
伊井和久